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プロジェクトおよびポートフォリオリーダー向けのニュース、ヒント、およびベストプラクティス

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より良いリソース管理を目指して:プロジェクトサイクルタイムの改善戦略

プロジェクトサイクルタイムを改善することの重要性 プロセスの修復やソリューションの話をする前に、なぜプロジェクトサイクルタイムを改善することが重要なのか考えてみましょう。プロジェクトは組織に変化をもたらします。プロジェクトで構成されるプログラムなしには、戦略的な取り組みも新サービスの導入も新製品の発売も実行することはできません。プロジェクトサイクルタイムが10%減少するだけで、企業のコスト、回避目標、タイム・トゥ・マーケットによる収益は大きな影響を受けます。つまり、パイプラインのすべてのプロジェクトの開始と終了が早まるので、利益も早く、複合的に達成されるのです。 チャレンジ 統計によると、プロジェクト手法を持たない企業では79%のプロジェクトが予定通りに完了せず、プロジェクト手法を持っている企業でも71%のプロジェクトがスケジュール通りに実行されていません。何故でしょう? 原因は多数あります。以前は成熟度レベルとプロセス/ツールのミスマッチだとも言われていましたが、いまだに多くの企業にとっては解決すべき問題となっています。また、最近では絶え間ない変化を管理するというチャレンジも加わっています。 これには、事業戦略、優先順位、予算、マーケットや競合の状況、自社の人材などの変化も含まれます。これらの分野の変化のスピードは加速しており、そのどれもがプロジェクトの成功とサイクルタイムに影響を与えます。 プロジェクトサイクルタイム改善の鍵となる戦略 プロジェクトサイクルタイム改善の対策は、コラボレーションの改善やワークフローの自動化など、多数ありますが、まずとりかかるべきなのはリソース管理です。戦略的な観点からは、適切なスキルを持った適切なリソースを最も価値の高いプロジェクトに使えずに、また最大限に働いてもらうことができなければ、すべてのコラボレーションや自動化による改善があっても、その影響は少ないということです。 絶え間ない変化に対応できるプロジェクトワークフォースの機敏性を得るためにリソースを開発、管理することが戦略的に重要となります。リソースを現在成功できる場所に配置するだけでなく、将来の成功のために長期的に開発、展開することが必要です。 手始めに プロジェクトサイクルタイム改善のためのリソース管理改善は、何から手掛ければよいのでしょうか?それは、リソース管理の成熟度レベルによりますが、Sciformaでは基本的なリソースの見える化レベル(誰か、どこにいるか、何に優れているか、今何をしているか)を上げることからスタートすることを薦めています。リソース管理の利点の80%は、基本的なリソースの見える化によって達成できると言われています。これは、すぐに得られる成果です。

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付加価値のないタスクによるプロジェクトの無駄をなくす:一元化されたリポジトリの利点

前回の投稿では、多くのPMOやプロジェクト実行業者は、レポート用のデータの収集、調整、変換や情報の検索、タイムシートの入力といった付加価値のない作業に費やす時間を過小評価していることを説明しました。実際、Lean Office Innovationの調査では、オフィスワークの90%は種類を問わず付加価値のない作業で、10%だけが付加価値があることが分かっています。 つまり、付加価値のない作業の生産性を一定の割合あげる方が、10%しかない付加価値のある作業の生産性を同程度あげることよりも組織全体の生産性にとっては大きな影響があります。10%をいくら改善しても、全体で見れば1桁の生産性しか改善できないということです。 現状の把握 どうのようにプロセスを改善することがでベストなのかを知るには、現状はどうなっているのか、どうしてそうなったのかを知ることが一番です。ほとんどの企業では、次の3つの原因で無駄の改善に迫られています。 プロジェクトのテンプレート、メトリック、財務データなどの検索を簡単に合理的にできるプロジェクト関連情報の一元化されたリポジトリがないため、プロジェクトのチームメンバーは、必要な情報を検索するのに週に1日以上を費やしています。 さまざまなレポートとプロジェクトレビューのための情報収集、データの変換、データ書式の調整を含むオフラインのレポート作成作業のため、プロジェクトのチームメンバーは、プロジェクトの進捗会議用のレポート準備に平均で週に1日を費やしています。 タイムシート管理、プロジェクトとタスクの引継ぎ、データの手動入力など、単純だが量の多い作業が自動化されていないことから、多くの企業でプロジェクト管理ソフトウェアの導入が検討されています。 付加価値のないあるいは付加価値が低い基本的なプロジェクト作業とタスクの実行に必要な基本ツールがないため、生産性のロス、信頼の置けないレポート、プロジェクトチームの欲求不満といった現象が起きています。 ソリューション要件 プロジェクトの無駄を最小化するには、新しいプロセスとツールが必要です。 3つのキーコンポーネントがあります。 集中管理されたデータとナレッジベース:一元化されたリポジトリ、“唯一の真実”、プロジェクトデータとドキュメントの記録システムです。すべての情報が1か所に保管されているため、情報を探すのに費やす無駄な時間が実質的になくなります。 一元化されたレポートとダッシュボード:データを集中管理すると、標準レポートとダッシュボードを定義して生成できます。システムのアクセスが制御され、情報が直接入力され、データの集計もシステムが行うため、レポートが信頼できるものになります。 単純なタスク/ワークフローの自動化:ツールの基本的なプロジェクト進捗管理機能でタイムシート管理、タスク割り当ての連絡、完了確認と承認、関連する警報と通知といった付加価値のない作業を自動化します。 成功例 プロジェクトマネージャとチームメンバーは、付加価値のある作業に使える時間が最大で40%も増えます。ステークホルダーとPMOリーダーは、信頼性のあるデータを基に、プロジェクト関連の決定をより自信を持って下すことができます。プロジェクトチームはプロセスとツールにサポートされていると感じるため、不満が減り、士気は常に高く保たれます。 次のステップ これらのコンポーネントは自社開発するか、一元化されたデータとナレッジリポジトリ、標準化されたレポート、(付加価値のあるタスクとないタスクの)タスク自動化を統合したすぐに使える市販のツールを利用するかを選ぶことができます。プロジェクトの無駄をなくす取り組みについては、eBook「付加価値のないタスクによるプロジェクトの無駄をなくす」でもご紹介しています。

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プロジェクトの無駄:PPMプロセス改善のための反直感的だが急を要するアプローチ

Sciformaでは、「プロジェクトの無駄」に注目するようユーザー企業に呼び掛けています。その理由を説明する前に、プロジェクトの無駄とは何かを考えてみましょう。 プロジェクトの無駄とは、プロジェクトのライフサイクルの間に行われるすべての付加価値のない作業のことです。 より正確には、付加価値のないタスクを完了するのに実際に費やす時間とこれらのタスクの処理が自動化された場合に必要とされる時間との差を意味します。 プロジェクトの無駄と考えられるタスクの例をいくつかご紹介します。 もちろん、こういった作業に必要な時間を短縮することは良いことですが、問題はなぜこういった作業分野に特別な注意が必要かということです。 多くのPMOやプロジェクト請負業者は、付加価値のない作業に費やす時間を過小評価しています。実際、Lean Office Innovationの調査では、オフィスワークの90%は種類を問わず付加価値のない作業で、10%だけが付加価値があることが分かっています。プロジェクト選択、リソース管理、キャパシティプランニング、プロジェクトとタスクの実行、ポートフォリオプランニング、リスク評価といった、付加価値のあるタスクのプロセスと結果を最適化するのはもちろん重要ですが、だからといって付加価値のないタスクを無視してよいことにはなりません。プロジェクトの無駄をなくすことは、PPMプロセスの改善ですぐに手に入る成果であり、PPM全体の生産性とプロジェクトサイクルタイムのようなキーメトリックを劇的に良化するものです。 下の図は、それぞれの作業の割合を50%改善することで得られる結果を表したものです。プロジェクト作業の90%が付加価値のない作業だとします。付加価値のある10%の作業に注目すると、一桁の生産性改善にしかつながらないことが分かります。 次の投稿では、プロジェクトの無駄を省く取り組みについて説明します。プロジェクトの無駄をなくす取り組みについては、eBook「付加価値のないタスクによるプロジェクトの無駄をなくす」でもご紹介しています。

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